左官工事って、どんな仕事?

左官工事とは、建物の壁や床、塀などにモルタルや漆喰といった材料を塗り、「コテ」を使って美しく仕上げる工事のことをいいます。
見た目をきれいに整えるだけでなく、建物の耐久性を高めたり、快適に過ごせる空間をつくる大切な役割を担っており、現代の建築において欠かせない仕事です。戸建て住宅はもちろん、外構や内装など、さまざまな場面で活躍しています。また、左官工事は仕上げだけでなく、タイルの下地や内装の基礎づくりなど、建物の土台となる重要な工程にも関わります。作業はシンプルに見えて奥が深く、きれいに仕上げるには経験と高い技術が必要です。そのため、職人一人ひとりの腕が仕上がりに大きく影響する、やりがいのある仕事でもあります。

野丁場

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「野丁場」は、ビル・マンションの下地をつくる工事のことです。 主に鉄筋コンクリート造りの建物では、壁・床・天井・階段などにセメントモルタルを塗りつけ、土台をつくる作業が必要になります。上から塗装をすると見えなくなってしまうため一見地味な印象ですが、5ミリ前後の誤差で仕上げていかなければならず、職人の高い技術が必要とされる大事な作業です。下地の精度によって、次の塗装のクオリティが変わってきてしまいます。

町場

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左官工事には大きく分けて住宅向け、ビル・マンション向けの2つがあり、住宅向けの工事のことを「町場」といいます。漆喰や珪藻土を用いた“塗り壁”、塀の仕上げ塗り・アプローチの基礎づくりといった“外構”が、主に施工の中心となります。継ぎ目なくきれいに塗りあげる技やコテを使った模様作りなど、経験を積みながら技術力を高めていきます。手作業での仕上げになるため、職人のセンスや技術がそのまま仕上がりに表れます。

仕上げパターン紹介

コテ波仕上げ

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コテ波仕上げはコテで塗った跡を自然な形で残す、最も標準的な仕上げパターンです。初心者でも簡単にできる模様付けで、担当する職人の個性が出ます。

ハケ引き仕上げ

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ハケ引き仕上げは、日用品で市販されているブラシやハケを使用して跡を残し、模様を付ける仕上げパターンです。職人は色々なハケやブラシを持っているので、使う道具によって仕上がりのパターンを変わります。

扇仕上げ

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コテで、半円を描くように模様を付ける仕上げパターンです。
等間隔に均一でキレイな半円の跡を残すには、高い技術が求められます。

スタッコ調仕上げ

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コテを使用して、漆喰にヨーロッパの壁をイメージしたパターンにコテ跡を残す仕上げパターンです。しかし、このパターンもかなりの技術を求められます。

スパニッシュ仕上げ

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コテでエッジを効かすような跡を残して塗る仕上げパターンです。エッジを効かせ過ぎると、下地が見えてしまいますので、少し厚塗りしてから模様付けします。

スポンジローラー仕上げ

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スポンジローラーで仕上げると、こんな模様になります。
このスポンジローラーも、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。

建物の仕上がりは、左官で決まる

左官の仕事は、建物を仕上げるうえで欠かせない重要な役割を担っています。壁や床の表面を整えるだけでなく、下地づくりによって建物全体の耐久性や安全性を高める大切な工程でもあります。わずかな凹凸やムラが仕上がりや使い勝手に大きく影響するため、職人の技術と経験が求められる繊細な仕事です。また、漆喰や珪藻土などの自然素材を用いた施工では、見た目の美しさだけでなく、調湿性や快適性の向上にもつながります。左官の仕事は、建物の価値と暮らしの質を支える、非常に重要な仕事です。